こんにちは、むーです。
お金を運用する際、「複利」という言葉を耳にすることがあるでしょう。複利は資産形成において非常に重要な考え方であり、長期的な投資の成功を左右する大きな要因となります。
本記事では、複利の基本的な仕組み、単利との違い、具体例、そしてその魅力について詳しく解説します。
1. 複利とは?
複利とは、元本だけでなく、運用によって得られた利息や利益にも利息がつく仕組みを指します。これにより、時間が経つにつれて利息が利息を生む「雪だるま式」の効果が期待できます。
たとえば、銀行にお金を預ける場合、複利の仕組みを採用していると、初年度に得られた利息が翌年以降の元本に組み入れられ、その合計金額に対してさらに利息が計算されます。
複利の計算式
複利の増加を計算するための基本的な式は以下の通りです。
A=P×(1+r)^n
各変数の意味:
- A: 運用後の総額(将来価値)
- P: 初期元本(現在価値)
- r: 年利(利率、割合として表記)
- n: 運用期間(年数)
この式では、時間が経つにつれて元本が増加し、それに応じて利息も増えていく様子を表しています。
具体例として、元本100万円を年利5%で10年間運用する場合を見てみましょう。
- 元本 P: 100万円
- 年利 r: 5%(0.05)
- 運用期間 n: 10年
計算式に代入すると
A=1,000,000×(1+0.05)^10 なので、
A = 1,000,000×1.62889≈1,628,890
このように、10年後の資産は元本の約1.63倍になります。
2. 単利との違い
複利を理解するうえで、単利との違いを知ることは非常に重要です。単利は、元本に対してのみ利息がつく仕組みです。一方、複利では利息にも利息がつくため、長期的には複利のほうが大きな成果を生み出します。
具体例で比較
- 元本:100万円
- 年利:5%
- 運用期間:10年
単利の場合
毎年の利息は「元本100万円 × 5% = 5万円」です。この5万円は毎年一定であり、10年間で得られる利息の合計は「5万円 × 10年 = 50万円」となります。運用後の合計は150万円です。
複利の場合
1年目の利息は「100万円 × 5% = 5万円」ですが、この利息が翌年の元本に加算されます。2年目以降は、「(100万円 + 5万円) × 5%」のように利息が累積的に計算されるため、10年間の運用後には約162.89万円になります。
この差が、複利の強力な効果を示しています。
3. 複利を活用するポイント
複利の効果を最大限に活用するには、以下の3つのポイントが重要です。
(1) 長期運用
複利の力は、時間が経つほど大きくなります。
短期的には単利との差がわずかでも、運用期間が長くなるほどその差は拡大します。たとえば、20年や30年の運用では、利息が元本の何倍にもなる可能性があります。
(2) 再投資
複利を活かすためには、得られた利息をそのまま再投資することが重要です。利息を引き出してしまうと、複利の効果が弱まります。特に投資信託や株式などでは、配当金や利益を再投資する設定を活用することで、効率的な運用が可能です。
(3) 安定した利回り
高い利回りを追求することも大切ですが、リスクが高すぎる運用は元本割れの可能性を伴います。安定した運用で着実に複利の効果を積み上げることが、長期的な資産形成において重要です。
複利を活用する方法
複利を活用した資産運用の例として、次のような手法があります。
定期預金
銀行の定期預金は、安全性が高く複利運用が可能な商品です。(ただ、2024年時点での金利はたかだか知れていますが…)
投資信託
投資信託は、得られた分配金を再投資することで複利効果を高められます。
再投資型の投資信託の場合
投資信託内で配当金を元本に組み入れて再投資する仕組みは、投資家自身が再投資を選択した場合と同じく複利効果をもたらします。
この場合、投資信託内で配当を再投資して元本に組み込まれて運用が継続されるため、実質的には複利的な効果が生じます。
分配金を受け取らず、投信内で運用額が増えるため、利息やリターンが複利的に増加します。
分配型の投資信託の場合
分配金を受け取るタイプの投資信託では、受け取った配当金を個人が再投資しない限り複利効果は得られません。
むしろ、頻繁に分配金を出す投信は運用元本が減少し、長期的なリターンが低下する可能性があります。
株式投資
配当金を再投資する「配当再投資戦略」は、株式投資における複利の活用方法として有効です。ただし、価格変動を利用した売買(キャピタルゲイン)を目的とした投資では、得たリターンを再投資しない場合には複利効果が得られません。
4. リスクと注意点
複利は強力な運用方法ですが、リスクや注意点もあります。
- 元本割れの可能性
投資商品を利用した場合、為替や市場の変動によって元本が減少するリスクがあります。 - 運用コスト
金融商品の手数料や管理費が複利の効果を削ぐ可能性があります。低コストな商品を選ぶことが重要です。インデックス連動型の投資信託やETFなら実質コストが0.1%くらいの商品が存在します。(2024年現在) - 短期間で成果を求めない(過剰な期待をしない)
複利の効果は時間がかかるため、短期間で大きな成果を求めることは適切ではありません。かのウォーレンバフェットも絶対に損をしないために「短期間で急いで金持ちになろうとしてはいけない」と説いています。じっくりのんびり計画的に資産を運用しましょう。
6. 結論
複利は、資産形成における非常に重要な概念であり、長期的に大きなリターンを生み出す力を持っています。
その効果を最大限に引き出すためには、長期運用、再投資、安定した利回りを意識することが大切です。一方で、リスク管理や計画的な運用も忘れてはいけません。
複利の力を味方につけ、着実に資産を増やしていきましょう!
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