8月5日にイーサリアム(ETH)の大型アップデート「London(ロンドン)」が実装されました。
ロンドンハードフォーク(仕様変更)は、イーサリアムにデフレ性を持たせるための仕組みを実装することで、トランザクション手数料の削減に繋がることが期待されています。
しかし、その変更点の一つに、「マイナーへ支払われる手数料モデルを変更する」というものがあり、今回のハードフォークで実装された中でも特に注目を集めているようで、イーサリアムをマイニングしている身としては見逃せない問題です。
この記事では、イーサリアムのロンドンハードフォークがマイニング報酬にどう影響が与えたのか検証していきます!
イーサリアムのロンドンハードフォークがマイニング報酬に与える影響とは?
マイナーへの手数料はどう変わった?
マイナーへの手数料が変更されることとなったイーサリアム改善案(EIP)が「EIP-1559:ETH1.0チェーンの手数料相場の変更」です。
これにより、従来のイーサリアムトランザクション手数料モデルが変更され、今までマイナーに支払われてきた手数料(ガス代)が「Bass fee(ベースフィー)」と「Priority fee(プライオリティフィー)」の2つに分けられました。
ロンドンハードフォークによるマイニング報酬の変更点を次の図にまとめました。
トランザクション手数料は今まで通りマイナーに支払われるものの、その内訳は「ベースフィー」と「プライオリティフィー」の2種類が存在することは上述しました。
その内の「プライオリティフィー」はマイナーに支払われる一方、「ベースフィー」はマイナーに支払われずバーン(焼却)されるため、市場から消滅します。
つまり、マイナーの手元に残るのは「プライオリティフィー」のみとなります。
これは、マイナーにとっては改悪とも言える変更で、今回のロンドンハードフォークはマイナーからの反発の声が多数挙がっていたようです。
ベースフィーがバーンされることで市場に出回るイーサリアムの希少性が高まり、値上がりに繋がる可能性があるので、一概に改悪とは言い切れませんが。。。
ロンドンハードフォーク後のマイニング報酬の検証
8月6日以降のマイニング報酬は?
では早速、ロンドンハードフォーク後のマイニング報酬の実績を確認していきます。下図に、ロンドンハードフォーク後の8月6日から8月22日までのマイニング報酬をまとめてみました。
オレンジの折れ線グラフがイーサリアムのマイニング報酬(ETH/day)です。参考にETH終値の棒グラフを併記しました。見たところ、マイニング報酬はゆるやかに減少傾向にあり、イーサリアム価格との相関があるとも言い難いですね。
合計ハッシュレートが約280MH/sの時のマイニング報酬平均は、「0.0063509ETH/day」 でした。
ロンドンハードフォーク前後の報酬の比較
マイニング報酬は、以下条件での比較としています。
- 合計ハッシュレート:約280MH/s
- マイニングプール:Poolin Pool
- マイニングソフト:TREX(minerstat経由)
ロンドンハードフォーク後のマイニング報酬平均は「0.0063509ETH/day」でしたが、7月の報酬平均「0.0080908ETH/day」に比べて約22.5%減少しています。なんてこった。
8月5日から8月6日にかけてのマイニング報酬もガクっと下がっているので、マイナーへの手数料の減少は確実に EIP-1559 の影響を受けていそうです。
実際の所、ベースフィーがトランザクション手数料の何%ですよ、っていう情報も無く、トランザクションの混雑具合でも変わってくるみたいなので、あくまで参考値としてください。
報酬20%減は辛いですね。毎月20%の価格上昇は期待できないでしょうから、この報酬減分はETHの値上がりでもカバーしきれないと思います。
直ちに赤字転落、という事は無くてほっとしていますが、今後のマイニング報酬についても注視していく必要がありますね~。
まとめ
報酬は確かに下がりましたが、マイニングから撤退するほどの収益減とはなりませんでした。ETHの値上がりに期待するとします。。。
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