投資において、配当は重要な収益の一つです。
本記事では、連続増配株を買うメリット・デメリットについてご紹介します。
連続増配株とは?
多くの企業は利益の中から株主への還元策として定期的に配当を出しますが、業績改善や株主重視策としてこの配当を増やすことを増配といい、連続増配株とは、何年も連続して増配を続けている銘柄のことです。
常に増配し続けられる会社は業績が右肩上がりに伸びている、または配当を出し続ける企業体力があると言えるでしょう。
連続増配企業例
花王:33年連続増配
SPK:24年連続増配
三菱HCキャピタル:23年連続増配
小林製薬:23年連続増配
ユー・エス・エス:22年連続増配
リコーリース:22年連続増配
トランコム:21年連続増配
ユニ・チャーム:21年連続増配
沖縄セルラー電話:20年連続増配
リンナイ:20年連続増配
KDDI:20年連続増配
サンドラッグ:20年連続増配
※2023年4月現在
連続増配株に投資するメリット
将来的な配当利回りの上昇
連続増配株は、買った時点の配当利回りは低くても、長期では高いリターンが得られる見込みがあります。なぜなら、増配が続けば買値で見た利回りが上昇するからです。
例えば、先ほどご紹介した連続増配株について、10年前(2013年1月)に購入した場合の買値での配当利回りを確認したところ、高いもので利回りが12.9%、平均で7.02%の利回りとなりました。
あくまで結果論ですが、買ったときの利回りは3%に及ばなくても、持ち続けた結果、買値の6%以上の高利回りとなっている株がありました。
私も例に挙げた銘柄のいくつかを持ち続けています。
銘柄 | 買値 | 現在配当額(予想) | 現在配当利回り | 現在値(参考) |
花王 | 2,290 | 150 | 6.55% | 5,030 |
SPK | 721 | 44 | 6.10% | 1,557 |
三菱HCキャピタル | 384 | 31 | 8.07% | 714 |
小林製薬 | 2,052 | 92 | 4.48% | 8,110 |
ユー・エス・エス | 913 | 67.5 | 6.68% | 2,211 |
リコーリース | 2,227 | 135 | 6.06% | 4,025 |
トランコム | 1,821 | 136 | 7.46% | 6,730 |
ユニ・チャーム | 1,516 | 40 | 2.63% | 4,990 |
沖縄セルラー電話 | 925 | 86 | 9.29% | 3,220 |
リンナイ | 2,009 | 150 | 7.46% | 9,570 |
KDDI | 1,044 | 135 | 12.9% | 3,988 |
サンドラッグ | 1,499 | 100 | 6.67% | 3,570 |
※買値のデータはkabutan.jpより引用
株価の上昇も期待できる
増配によって配当が増えれば、配当期待の買いが入って株価の上昇も期待できます。
そもそも配当は企業が得た利益を株主に分配する仕組みで、利益が出ていなかったり、利益を蓄えていなかったりして株主に還元する利益が無ければ「配当」を出すことはできません。
つまり、長期間にわたって増配を続けている企業は、それだけ長期的に業績を伸ばしていたり、一時的に業績が落ちても配当を出せるようにしっかりと利益を蓄えていたりする「優良企業」と判断することができます。
しかも、配当が増えるだけでなく、それに伴って株価も上がる傾向があるので、増配株は魅力的な投資先と言えるでしょう。
連続増配株に投資するデメリット
短期間でのリターンは期待できない
安定した成長に基づき増配を続ける企業は成熟した大企業がほとんどとなります。
業績が安定しているということは、これから更なる急成長する可能性は低く、株価が急騰といった短期間での大きな利益は期待しづらいです。
また大型株はすでに多くの投資家によって買われているため、割安の状態で放置されているケースが少ないことも、大きな利益が期待しづらい要因の1つです。
それ故に連続増配株は、株価の急騰や短期間でリターンを得たい人には不向きでしょう。
元本割れのリスクがある
株式投資全般に言える事ですが、購入した株式の株価が購入時よりも下がることで、元本割れする可能性があります。
いくら連続増配するからと言っても、配当で得るリターン以上に株価が下がってしまうリスクは多分にあります。
特に個別株はインデックス投資に比べてリスクが高い傾向にあります。
業績によっては減配や無配のリスクがある
業績不振によって配当が減配になったり無配になるリスクがあることを踏まえておく必要があります。
過去から続いている増配年数実績は評価に値するデータではありますが、将来に渡りそうであるとは限りません。
コメント