こんにちは!むーです。
投資信託の商品名には、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」と書かれていることがあります。
「ヘッジ(Hedge)」は「回避」を意味し、為替ヘッジとは、円と外国通貨の値動きによる影響を抑えることを指します。「為替ヘッジあり」の商品は、為替変動による資産の増減を抑える仕組みがあるということです。
では、円安水準を迎える今、どちらを選ぶべきなのでしょうか。本記事では、為替の基本から投資信託における影響、為替ヘッジあり・なしのメリット・デメリットまで整理します。
為替とは?
為替とは、本来「現金を直接使わずに支払うこと」を指しますが、金融では「異なる2国間の通貨を交換すること」を意味します。
私たちが普段使う円も、日々価値が変動しています。ニュースで目にする「1ドル○○円」は、円とドルを交換した比率(為替レート)です。
- 1ドル=100円 → 1ドル=140円:円安(ドル高)
- 1ドル=100円 → 1ドル=80円:円高(ドル安)

※過去25年間(1997年~2022年)の推移は75円~145円のレンジで変動しています(七十七銀行より引用)。
投資信託における為替の影響
投資信託は、投資家から預かったお金をプロが運用する金融商品です。外国資産に投資する場合、円を外国通貨に両替する必要があります。資産売却時も同様です。
この時、為替レートの変動によって、資産自体の値動きとは別に利益・損失が生じます。
- 円安時:円に換算すると利益増(為替差益)
- 円高時:円に換算すると利益減(為替差損)
具体例
1万円分の米国株を1ドル=100円で購入(100ドル相当)したとします。この米国株が株価10%上昇したら評価額は110ドルになります。これを売却する時の為替レートによって以下の様に変わります。
- 為替1ドル=100円 → 1,000円の利益(為替の影響無し)
- 為替1ドル=110円(円安) → 1,100円の利益(為替差益)
- 為替1ドル=90円(円高) → 900円の利益(為替差損)
為替ヘッジあり・なしの違いを詳しく解説
では、実際に外国資産に投資する投資信託を選ぶとき、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の違いは非常に重要です。どちらを選ぶかで、運用成績やリスクに大きな差が出ることがあります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
為替ヘッジあり
為替ヘッジありの投資信託は、為替変動の影響を抑える仕組みが組み込まれています。外国株や外国債券を保有している場合、円高・円安による評価額の変動が投資家の資産に直接影響します。ヘッジありの場合は、この変動をある程度制御することが可能です。
しかし、この為替ヘッジありの投資信託は、為替変動のリスクを抑えられる一方で、ヘッジを行うためのコストがかかります。このヘッジコストは、主に外国の短期金利と円の短期金利の差をもとに計算され、運用期間が長くなるほど累積して運用成果を押し下げる要因となります。
また、信託報酬がヘッジなしの投資信託より高く設定されていることも多く、長期投資ではリターンを大きく削る可能性がある点に注意が必要です。

為替ヘッジありは、円高による損失を回避できるメリットがありますが、その分コストがかかるため、長期運用ではリターンが抑えられる可能性があります。安定重視の投資家向けの選択肢と言えるでしょう。
為替ヘッジなし(おすすめ)
為替ヘッジなしの投資信託は、外国資産の為替変動の影響をそのまま受けます。円高になれば資産評価額は下がり、円安になれば評価額は上がります。
ただし、為替ヘッジなしの投資信託は先ほど説明したヘッジコストがかからないため、余計な費用を抑えながら長期的なリターンを狙いやすいというメリットがあります。

為替ヘッジなしは、短期的な変動リスクはありますが、長期で見るとヘッジコストがかからず、資産成長の効率が良くなる傾向があります。特に米国株のような長期成長が期待できる資産に投資する場合は、ヘッジなしで十分リターンを狙えるケースが多いです。
まとめ

為替ヘッジがなければ為替変動の影響を受けやすくなりますが、余計なコストがかからない「為替ヘッジなし」の投資信託を選ぶのが無難だと思います。