こんにちは!むーです。
以前書いた計画では、単純に目標資産額だけを掲げており、その目標金額も達成していることから、改めて実際の家計構造を踏まえた詳細な設計が必要だと感じ、今回のアップデートに至りました。FIREは、いつ仕事を辞めるかという一点で語られがちですが、本来は人生全体の設計と切り離せないテーマです。特に子どもがいる家庭では、教育費や生活水準の変化を無視したFIRE論は現実的とは言えません。
本記事では、私たちの2026年1月時点の資産状況を起点に、子どもが中学生あるいは高校生になるタイミングでファットFIREに到達するという計画を整理します。家計の支出が最も大きくなる時期を明確に想定し、その前提で家計シミュレーションを行い、必要な目標資産額を算出しました。
現在の資産状況と前提条件
本計画の起点となる、現在の資産状況を整理します。
2026年1月時点における世帯総資産は1億600万円です。一方で、住宅ローンの残債が2000万円弱あり、純資産としてはこれを差し引いた水準からのスタートになります。
資産運用における想定利回りは年率5%としています。これは短期的な相場環境を当てにするものではなく、株式を中心とした長期分散投資によって、現実的に期待できる水準を置いたものです。好調・不調の年は当然ありますが、本計画では平均値のみを扱い、細かな変動は考慮しません。
また、この時点では労働収入が家計の主な支えであり、ファットFIRE達成までは継続する前提としています。現在の資産は、すでに一定の安全余地を持ちつつも、完全な経済的自立には至っていない中間地点に位置づけられます。
次のセクションでは、この資産状況を踏まえたうえで、子どもの成長段階に応じてどのようなFIRE像を目指すのか、具体的な到達点を明確にします。
目指すFIREの形:子どもが中学生・高校生になったらファットFIRE
本計画では、FIREの到達時期を子どもが中学生、あるいは高校生になるタイミングに設定しています。これは家計負担の観点だけでなく、時間の使い方という点でも合理的だと考えているためです。
小学生の間は、学校行事や保護者対応、習い事の送迎など、親の関与が想像以上に多くなります。平日・休日を問わず予定が細かく入り、時間の自由度は構造的に制限されがちです。この段階で労働から解放されたとしても、自由時間がそのまま可処分時間、すなわち自分の意思で使える時間になるとは限りません。一方で、中学生以降になると子どもの自立度は大きく高まります。行動範囲が広がり、学校や習い事も基本的には本人主体で完結するようになります。親の時間拘束は相対的に減り、ようやく「時間の自由」が実感できる局面に入ると考えます。
小学生の間は手が掛かるのだから、むしろ早くFIREした方がよいのではないか、という考え方もあります。ただ、この時期に必要とされる時間の多くは、送迎や行事対応といった拘束時間であり、自由に再配分できる時間とは性質が異なります。また、教育費と生活費が今後増えることが確実な局面で資産形成を止めることは、将来の選択肢を狭めるリスクも伴います。
以上より、本計画では時間の自由と資産の余裕が同時に意味を持つタイミングとして、中学生以降をFIREの基準に設定しています。
ファットFIREに必要な家計シミュレーションと目標資産額
シミュレーションの前提条件
ここでは、子ども2人が中学生以降となる期間について、現実的かつやや保守的な前提で家計をシミュレーションします。進路は公立中学・高校を基本としつつ、塾や課外活動には一定の余裕を持たせ、進学先の選択肢を資金面で制限しない方針とします。
生活費については、現在の生活水準を維持する前提で、住宅ローン返済、日常支出、余暇費用などを含めて年間600万円程度と仮定します。極端な節約や生活レベルの引き下げは織り込んでいません。
教育費は、公立中学・高校の授業料や諸費用に加え、塾代、教材費、部活動関連費用などを含めて見積もります。中学生以降は1人あたり年間80万円程度を想定します。兄弟2人が同時に在学する期間には、教育費は年間160万円程度となります。
以上を合算すると、支出が最も重くなる期間の年間支出は、おおむね760万円程度となります。
必要資産額と目標水準の設定
想定利回りは年率5%としています。この前提では、年間760万円の支出を資産収入で賄うために必要な金融資産は、約1億5200万円となります。住宅ローン残債はキャッシュフロー上の支出として扱うため、資産額とは相殺していません。
一定の安全余地を見込み、本計画では目標資産額を1億6000万円と設定します。
2026年1月時点の世帯総資産は1億600万円であり、目標水準にはまだ到達していません。ただし、時間軸を子どもの年齢に合わせて設定しているため、拙速に資産形成を進める必要はないと考えています。
想定利回り5%で見た資産の推移
本計画では、想定運用利回りを年率5%としています。この前提が現実的かどうかについては意見が分かれるところですが、長期・分散投資を前提とした場合、過度に楽観的な水準ではないと考えています。
2026年1月時点の世帯総資産は1億600万円です。ここからこれまでと同様に投資への入金を継続する前提でシミュレーションします。入金額は、月10万円、年間120万円とします。
下の子は2026年時点で3歳であり、中学生になるのは約9年後です。この9年間について、
・既存資産は年率5%で複利運用
・毎年120万円を追加で投資
と仮定します。
まず、現在の資産1億600万円を年率5%で9年間運用した場合、想定資産額はおよそ1億6400万円となります(将来の資産額 = 現在の資産額 ×(1+利回り)^年数)。
次に、年間120万円の入金を9年間続けた場合、複利効果を含めた累計額は約1300万円となります。
これらを合算すると、下の子が中学生になるタイミングでの想定資産額は、およそ1億7700万円となります。
これは、前セクションで設定した目標資産額である1億6000万円を明確に上回る水準です。つまり、月10万円程度の継続的な入金を行う前提であれば、資産形成を過度に加速させなくても、時間の経過そのものが目標達成を後押しする構造になっています。
もちろん、実際の運用成績は年ごとにブレますし、常に年率5%で推移するわけではありません。それでも、入金を続けることで、運用環境が想定を下回った場合の緩衝材としても機能します。
このため、本計画では、ファットFIRE達成までの期間をコーストFIRE期間と位置づけつつも、投資への入金は従来通り継続します。資産額を増やすこと自体を最優先にするのではなく、時間と生活のバランスを取りながら、結果として目標水準に到達する状態を目指しています。
目標資産額に到達した時点でコーストFIREに移行する
前述のシミュレーションの通り、想定利回り年率5%、月10万円の継続的な入金を前提とした場合、下の子が中学生になる頃には、目標資産額として設定した1億6000万円に到達、もしくはそれを上回る可能性が高いと見込んでいます。
本計画では、この目標資産額に達した時点を、コーストFIREへの移行点と定義します。これは、完全にリタイアするという意味ではありません。生活費のすべてを資産収入で賄う段階には入りますが、働くかどうか、どの程度働くかについては、収入確保ではなく選択の問題になります。
重要なのは、この時点以降、資産を増やし続けることが目的ではなくなる点です。すでに支出がピークとなる時期を基準に設計した生活費を賄える資産規模に到達しているため、これ以上の積み上げは必須条件ではありません。運用は継続しますが、資産形成を最優先に行動を縛る必要はなくなります。
この状態をコーストFIREと位置づける理由は明確です。仮に収入が減少しても、あるいは一時的に働かなくなったとしても、時間の経過と資産運用によって、ファットFIRE水準を維持できる見通しが立っているからです。資産はすでに「走り出している」状態であり、強く押し続ける必要はありません。
また、ここであえて「完全FIRE」ではなく「コーストFIRE」を選ぶのは、子どもの成長段階との整合を取るためでもあります。中学生以降は時間の自由度が高まりやすい一方で、進路や生活の変化も起きやすい時期です。収入源を完全に断たず、選択肢を残しておくこと自体が、リスク管理になります。
計画が崩れるとしたらどこか
本計画は、保守的な前提を置いているとはいえ、将来を完全に保証するものではありません。計画が崩れる可能性があるとすれば、それは想定外の事象というより、前提条件が長期的にズレるケースです。
第一に、運用利回りが長期にわたって想定を下回る場合です。年率5%は長期・分散投資を前提とすれば非現実的な水準ではありませんが、インフレ調整後でこれを恒常的に下回る状況が続けば、資産の成長速度は鈍化します。この場合でも即座に破綻するわけではありませんが、コーストFIREへの移行時期が後ろ倒しになる可能性があります。
第二に、支出のピークが想定よりも膨らむ場合です。教育方針の変更や私立進学、想定外の住居費増加などにより、ピーク期の年間支出が760万円を大きく上回ると、必要資産額の再計算が必要になります。特に教育費は意思決定次第で振れ幅が大きいため、最も管理が難しい変数と言えます。
第三に、入金継続が困難になる場合です。本計画では月10万円の投資入金を前提としていますが、収入構造の変化や働き方の変更により、この前提が崩れる可能性はあります。ただし、これは完全にネガティブな要因とは限りません。労働時間や負荷を下げる選択と引き換えに入金額が減るのであれば、それ自体がコーストFIRE的な移行と捉えることもできます。
一方で、これらのリスクには共通点があります。いずれも「一度に致命的な影響を与えるもの」ではなく、時間をかけて顕在化する点です。そのため、定期的に前提条件を見直し、必要であれば調整する余地が常に残されています。
まとめ
本記事では、現時点の資産状況を整理したうえで、子どもの成長に伴って家計負担が大きくなる時期を基準に、ファットFIREまでの道筋を考えてきました。数字を置いて検討してみると、急いで結論を出す必要はなく、時間の使い方や生活とのバランスを保ちながら進められる余地があることが見えてきました。
今後も前提条件を確認しつつ、無理のない範囲で計画を微調整しながら、家族にとって納得感のある形を目指していくつもりです。



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